平成27年第4回定例会一般質問~海浜公園の猫たち他~

三番瀬海浜公園レジャープール跡地は、昨年12月の第4回定例会で関連議案が可決され、三番瀬の自然や生き物の大切さを学べる環境学習施設へのリニューアルが行われることになりました(2017年オープン予定)。以前から指摘していることですが、海浜公園は周辺に住居がなく町会自治会がないため、市が助成の対象としている地域猫活動が行われていません。長年、捨て猫や繁殖によって増えた猫が放置されたままになっています。第4回定例会の一般質問では、この海浜公園や同じような状況にある海老川沿いに棲みついている猫たちについて、市の対応を問いました。その他に、市の動物愛護管理条例と、市が発足させようとしている動物愛護管理対策会議についても質問しました。

海浜公園その他の非居住地区の猫については、昨年6月の第2回定例会で取り上げて以降、所管の部署や保健所の対応を求めてきました。結局、海浜公園の猫に関しては市の対応を待ってはいられないと判断し、Facebookでご報告したように、ボランティアの方々のご尽力により集中的なTNRを実施することができましたが、一方で、第4回定例会では、市が初めて、現行の地域猫活動団体登録の要綱が厳しすぎて思うような効果をあげられていないことを認めTNR活動に対する助成に踏み切ったこと、市が動物愛護条例の見直しを表明したことなどの成果がありました。

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なお、海浜公園では、すべての猫の不妊去勢手術を終えたわけではありませんし、手術をできた猫も含めて餌やりなどの管理も引き続き必要ですが、それを引き受けてくださるボランティアの手や餌代が不足しています。捨て猫防止策も講じなくてはなりません。

解説

地域猫活動団体として登録し不妊去勢手術費用の助成を受けるには、別世帯3名以上で登録することや、管理する地域猫の一覧表と写真、活動場所の平面図や付近の見取り図、土地所有者と町会自治会の同意書の提出が求められ、活動報告書も作成しなくてはなりません。このように要件が厳しすぎるため、地域猫活動団体はなかなか広がりを見せず、登録をせずに自費でTNR(Trap: 飼い主のいない猫を捕獲し、Neuter: 不妊去勢手術を施し、Return: 元の場所に戻すこと)やその後の管理を行う方も数多くいらっしゃいます。私はかねてより、東京都千代田区のようなTNRを対象とした助成を市に求めてきました。

以下、一般質問の内容を掲載します。

三番瀬海浜公園等の猫について

さいとう
海浜公園では、海岸沿いのテトラポットを住処にしている猫が40匹以上、近隣の企業の敷地と行き来している猫を入れると50匹以上。どれも、餌を十分に与えられていないので痩せ細り、衛生状態が悪いので、病気にかかっている猫も数多く見受けられる。
新しくできる環境学習館は、四季を通じて市民が自然と触れ合いながら、三番瀬の自然や生き物の大切さを学ぶことのできる施設であるとのことだが、その目と鼻の先で、そのようなかわいそうな猫たちが放置されているという、なんともグロテスクな状況になろうとしている。一刻も早く捨て猫防止策を講じ、いまいる猫についてはTNRによって繁殖に歯止めをかけ、適正な管理をしていくべきと思うが、この点について市の見解は?

答弁(保健所理事)
現在、市が行っている野良猫対策の一つとして、地域猫活動の支援がある。この地域猫活動は、地域住民等が猫に不妊手術を施し、その後適正に管理するものなので、この場所(海浜公園)で実施するには市街地等で実施する地域猫活動とは異なる対応が必要となる。
また、TNR活動については、今後、町会自治会が主体となって実施するものについて、市が支援していく仕組みを検討中である。ただ、海浜公園の場合は、周辺に町会自治会がないことから、この方法での対応も困難であると考える。
なお、ご指摘の状況については、動物愛護の面からも問題があるので、掲示物の設置などで遺棄や虐待を防止する啓発を進めていきたいと考えている。

さいとう
海老川沿いの遊歩道も海浜公園と似たような状況にある。この地域では、一部で地域猫活動をしている方もいらっしゃるようだが、単なる餌やりと間違われて警察に通報されたり、また、活動が一部の地域に限られ、捨て猫もなくならないので、野良猫の数を思うように減らすことができておらず、動物虐待もあるようだ。この地域の対策についてはどうお考えなのか。

答弁(保健所理事)
ご質問の箇所は海浜公園とは異なり、市街地の中にあるので、周辺の町会自治会がTNR等を希望されるのであれば、土地管理者とも協議の上、支援していきたい。

さいとう
いま二つの質問に対して、いずれも保健所理事が答弁に立たれたが、果たしてそれで良いのか?海浜公園も、海老川沿いも、あるいはその他の公共の場所についても、所管の部署があるわけであるから、縦割りで、動物についてはすべて、まず保健所という姿勢ではなく、当事者として保健所と連携して対処していく、ということがあっても良いのではないか。
例えば千葉市では5年前まで、公園内の猫の餌やりを全面禁止していたが、公園で餌をあげるのをやめても、猫は周辺でゴミを漁ったりするので市民からの苦情は減らない、子猫はどんどん生まれる、隠れて餌やりをする人もいる、ということで、問題解決に結びつかなかった。そこで、まず稲毛海浜公園で、公園管理課と動物保護指導センターとが連携し、ボランティアにも協力してもらって大がかりなTNRを実施した。その後、公園内の猫はほぼ全頭のTNRを終え、いまは公園緑地事務所が窓口となって猫の管理をするボランティアを募集している。東京都新宿区でも公園サポーター制度の一環として、所管のみどり公園課に登録したサポーターがTNR実施後の猫の管理を行い、それ以外の人の餌やりを禁じることで苦情に対処している。野良猫対策がそう簡単でないことは、私もよくわかっている。しかし、現状を放置したままでは、いつまでたっても解決に近づくことはできない。
今年9月に、船橋市内で両耳と下腹部を切られたウサギの死体が見つかり、前後して近隣の自治体でも猫の惨殺死体が見つかるなどの事件が相次いだ。こうした、動物の虐殺事件が凶悪犯罪の予兆となり得ることは、数々の事例から明らかになっている。
街づくりというのは、雰囲気というか空気づくりでもある。殺伐とした刺々しい空気なのか、あるいは暖かでやさしさの感じられる街なのか――。子供たちは、そんな街の空気を肌で感じながら育っていく。空気を作るのは市民と行政である。
市役所の各部、各課におかれては、野良猫問題に限らず、動物愛護、動物行政を我が事として認識していただき、前例にとらわれず、また、他部署と足並みを揃えることや突出しないことを過剰に意識せずに、チャレンジ精神、フロンティア精神をもって暖かな街、優しい街づくりに取り組んでいただくことを、心からお願いする。また、保健所におかれては、動物愛護管理法をはじめ動物行政に対する理解を、市役所内に広めていく役割を担っていただき、他部署との連携を実現していただくことをお願いしたい。

動物愛護管理条例について

さいとう
動物愛護管理法が大幅に改訂・施行されてから2年余り、千葉県の「動物の愛護及び管理に関する条例」が今年4月1日に施行された。そこで、県の条例と当市の条例との違いを調べてみたところ、気になった点があった。
県条例では用語の意義で、「動物」とは動物愛護管理法第44条4項に規定する愛護動物をいう、と書かれている(愛護動物とは、1. 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる 2. 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するものである)。要するに、人が占有している動物と、占有していなくても、つまり飼い主や保管主がいない動物でも、ここに列記されている動物は愛護動物として動物愛護管理法の対象となるとされている。一方、市の条例では、動物とは人が飼養をする動物で哺乳類、鳥類及び爬虫類に属するものをいう、と記されている。条例の対象を人が飼養する動物に限定しているわけで、飼い主のいない犬、猫、その他の動物は含まれないことになるが、なぜこのように限定しているのか。

答弁(保健所理事)
本市が本条例を制定した平成15年当時は、東京都をはじめ多くの自治体が、自治体の措置を定めた動物愛護管理法第9条の「動物が人に迷惑を及ぼすことのないように」を受け、このような定義を盛り込んでいたことから、本市としても同様の規定を設けた。

さいとう
動物愛護管理法第9条に地方公共団体の措置がうたわれているからとのことだが、その後、動物愛護管理法自体も大きく改訂されており、県の条例では県として推進していく施策も明記されている。例えば、私としては大変共感するところだが、子どもに対する動物愛護普及啓発や殺処分をなくすための取組が掲げられているし、マイクロチップの装着推進、被災動物の救護体制の整備、猫の屋内飼養の遵守なども規定されている。市としても、動物愛護の現状や時代の要請を踏まえ、条例を見直すべきと思うが、この点について、見解を聞かせてほしい。

答弁(保健所理事)
県条例が本年施行であるのに対して、本市の条例は平成15年の施行からすでに12年を経過していることから、ご指摘の点も含め、現在の市の条例が動物愛護の現状や時代にそぐわないと思われる部分も出てきていることは認識している。したがって、今後、県条例との整合、他市の状況等も踏まえ条例改正も視野に入れた検討に着手していきたい。

動物愛護管理対策会議について

さいとう
なぜこのタイミングで立ち上げることにしたのか、その背景を説明してほしい。

答弁(保健所理事)
市が実施する動物に関する施策については、市民生活と密接な関連がある。特に、近年、動物行政、具体的には犬や猫に起因する問題について、市民からの意見、要望、苦情等が非常に増加している。そして、これらの中には、解決が長期化しているもの、逆に直ちに対応が必要なものまで、内容が多岐にわたっている。動物に起因する問題を解決し、また今後の動物に関する施策を立案していくためには、行政の立場からだけでなく、他の様々な視点からの考え方を取り入れる必要があると判断した。そこで、少しでも早く外部の意見を取り入れ、可能なものから順次施策に反映していきたいと考え、年度途中ではあるが、動物愛護管理対策会議を設置することにした。

さいとう
10月発行の「広報ふなばし」に、この対策会議の市民委員の募集告知が掲載されていた。この市民委員以外に、会議のメンバーはどんな方を考えておられるのか?また、開催頻度についてはどのようにお考えなのか?

答弁(保健所理事)
委員は自治会連合協議会、獣医師団体、および動物愛護関係団体から推薦を受けた者、公募による一般市民等を予定している。第1回の会議は平成28年1月に開催を予定し、現在準備を進めている。その後、今年度中に2回目を実施し、次年度以降は年3回程度の開催で本市の動物行政施策について協議をお願いしていく予定である。

さいとう
外部の意見を取り入れ施策に反映させていくとのことだが、喫緊の議題としてはどのようなものを考えておられるのか?

答弁(保健所理事)
まずは、制度運用上、種々の問題が生じている地域猫活動について、その要綱の見直しの協議をお願いしたい。また、先ほどご質問があった条例改正の必要が生じた場合等にも、ぜひ会議の意見をお聞きしたいと考えている。

さいとう
外部の様々な視点を動物行政に取り入れていくのは素晴らしいことだが、会議ばかりでなかなかアクションに結びつかないということのないよう、会議で出された方向性をすばやく施策として実現していく努力をお願いしたい。

以上